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商品先物取引についての相談室

 「先物」とは、将来の一定の時期に特定の商品の受け渡しを行なうという約束で、現在の時点でその受け渡しをする際の価格を取り決め、あらかじめ売買する契約のことをいいます。本来はその受け渡しを行なうはずの納会日に、商品の現物の受け渡しをしますが、商品先物取引では、その期日が到来する前までであれば、いつでも転売したり、買い戻したりすることができます。これを差金決済と呼びます。
  一般的に「先物」と呼ばれる取引のほとんどは、この商品先物取引のことを指します。
 「商品」には、東京工業品取引所が上場している、金や銀、白金などの貴金属、またはガソリン、灯油、原油などの石油製品のほかに、東京穀物商品取引所が上場している、とうもろこしや大豆などの農産物があります。そのほかにも、規模は前述より小さいものの、関西商品取引所中部大阪商品取引所があります。
 これらの取引所に上場されている商品はある程度まとまった量で取引されています。例えば、ガソリンの最小取引単位は1,000リットルです。当然のことながら、これを納会日に現実に受け渡しをするとなると、それなりの設備が必要ですから、先物取引を行なう投資家のほとんどすべては、前述した差金決済を利用して、商品の現実の受け渡しをすることなく取引を終了させます。
 先物取引市場の本来の有用性は、リスクヘッジにあります。例えば、農産物の生産者であれば、天候の異変によって将来計画通りの収入が見込めないと予想することがあるかもしれません。あるいは、製造業者であれば、将来貴金属が急騰し、部品の調達が困難になると予想するかもしれません。そのような場合に、現在の時点であらかじめ将来の売買の値段を決めておくことができれば、リスクを回避することができます。
 しかしながら、現在の先物取引は、このようなリスクヘッジを目的とする取引ではなく、「投機」として短期間に大きな利益をあげることを目的に行なわています。リスクヘッジから、マネーゲームへと変遷したのです。

 「サキモノ」と聞くと、危険なイメージがありますが、それはなぜでしょうか。
 それは、そのハイリスク・ハイリターンにあります。先物は株と違い、ほんの少しの資金(委託証拠金と呼びます)で大きな取引を始めることができますが、その利益または損失は、他の「投資」である株などと比べて非常に大きくなります。例えば前述のガソリンは最低金額13万5千円から取引をすることができますが、実際に取引しているのは1,000リットルですから、1,000リットル分の利益をあげることができる一方で、1,000リットル分の損失を被ることもあります。株式の場合は、最悪でも「紙くず」ですみますが、商品先物の場合は、利益も無限である以上、損失も無限に拡大します。わずか数百万円の投資額でも、一晩で数百万円の損失、一週間で1千万円の損失を被ることも少なくありません。

 先物取引はこのようなハイリスクに加えて、先物取引会社による強引な勧誘や違法な取引が多く見受けられています。ある大手の先物取引業者は、全国に支店や営業所を構えていましたが、社長をはじめ専務、常務4人が逮捕され、廃業に追い込まれました。
 悪質な先物取引会社の違法性には共通した点があります。

 ひとつは、不当ないし不適当な勧誘方法、説明義務違反にあります。
 先物取引の営業は、ほとんどが電話による勧誘の方法で行なわれます。その際に、営業マン(以下、外務員と呼びます)は、銀行や郵便局の預金や貯金の利息(利率)を引き合いに出し、先物取引がそれらよりも圧倒的に高利益を獲得することができ、さも確実に利益を得ることができる元本が保証されたような商品であるかのような説明をします。多くの場合、社会に出て間もない20代や、預貯金が潤沢にある高齢者がターゲットにされます。これらの人たちは、判断能力が劣る場合が多く、損失についての十分な説明がされないまま、銀行にお金を預ける感覚で先物取引に手を出してしまいます。

 もうひとつは、なかなか決済をさせないことになります。
 本来、先物取引は、納会の期日が到来するまではいつでも差金決済により取引を終了させることができますが、悪質な先物取引会社は、取引を継続させるために決済を受け入れないのが普通です。
 通常、ある程度の損失の見込みが明らかになれば、取引を終了したいと願うのが客の立場ですが、悪質な外務員は、将来利益に転じる不確実もしくは虚偽の情報を提供して、取引を継続するよう迫ります。
 結果として、多くの場合、損失は拡大し、元本をはるかに超える損失を抱えてしまうことが多くあります。
 先物取引被害者の裁判例を見ますと、億単位の損失は珍しくありません。通常の感覚から考えると、それほどまでに損失が増えるままにしておく心理は異常であるようにも思えますが、実際に少しでも損失を抱えると、それを取り戻すために、さらに大きな投機をし、結果として損失が爆発的に増えるのです。
 みなさんも、はじめての宝くじやパチンコで当たらなかったからといって、もうそれっきりあきらめてしまうことは少ないのではないでしょうか。
  いつかは、利益に転じる・・・と願いつつ、気が付けば、金何百キロ、ガソリン何万リットルという危険な取引に足を踏み入れてしまうのです。そうするように外務員が誘導するのです。


  先物取引で損失を被ったとしても、それだけでは当然違法性はありませんが、元本が保証されているような勧誘を受けた、あるいは、お客様の証拠金を使って、外務員が無断で、もしくは根拠のない取引を繰り返していたという場合には、、損失の一部を取り戻すことができます。被害の多くの場合、これに当てはまります。
  また、決済をさせない、つまり「仕切り拒否」の場合には、後日証拠として残るよう書面にて先物取引会社に伝えることができます。お客様が手仕舞い(最終的な決済)の意思表示を示したにもかかわらず、外務員が取引を継続させているような場合には、それ以降の損害は全額、先物取引会社に負担させるべきでしょう。

 この点、アルプス国際行政書士事務所は、お客様の意思表示を明らかにする法的な書面を作成することができます。
 もし、いま現在お困りでしたら、一日も早く当
事務所へご相談ください。

 なお、当然のことながら、健全で親身に相談に応じてくれる先物取引会社もございます。当事務所の見解は、先物取引市場の意義を否定するものではありませんので、ご理解いただきますようお願いいたします。

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