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遺族基礎年金の「遺族」の適用範囲とは

遺族基礎年金の「遺族」とは

 遺族基礎年金を受給できる遺族は、死亡した者(夫または妻)により死亡した当時、生計維持されていた次の遺族(妻・子)に限られています。

 妻(子のある妻に限ります。) 夫が死亡した当時に、18歳到達年度の末日までにある子、または、障害基礎年金を受給できる程度の障害の状態にある20歳未満の子と生計を同一にしていた場合で、かつ婚姻していない子に限ります。また、事実婚関係にある内縁の妻も含みます。

 妻と子に受給権が発生している場合は、妻が子の加算額を含めた遺族基礎年金を受給します。

 なお、夫の死亡当時、胎児であった子が出生した場合には、死亡当時において父と生計維持関係があり、、母と生計同一にあったとみなされ、遺族基礎年金の受給権が発生します。

 また、届出がなされている養子も受給権がありますが、死亡した被保険者等と離縁した場合には、失権します。

 離婚した妻との間に生まれた別居中の子がいる場合には、養育費などの仕送りが継続されていて、死亡者と子の生計維持関係が認められる場合については、子に受給権が発生します。

遺族年金を受給できる事実婚関係にある内縁の妻とは

 事実婚として認められるためには、次の要件を満たしていることが必要です。

 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること。

 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係があること。通常の夫婦と同じように、同居していることなどが当てはまります。ただし、民法上婚姻が禁止されている近親婚や養子親子関係の婚姻などの内縁関係については、事実婚とは認められません。

 なお、届出による婚姻関係と内縁関係が重複している、いわゆる重婚的内縁関係にある場合には、当然、届出による婚姻関係が優先することになりますが、届出による婚姻関係が実体を失っているとき、具体的には、夫と戸籍上の妻(妻と戸籍上の夫)が住居を別にし、両者に経済的な依存関係が重複していなく、両者間に音信や訪問などの事実が反復して行われていない状態にあるときに限り、内縁関係が事実婚として認められます。いわば、本妻とは夫婦関係が破綻しており、夫婦としての実体がない場合において、死亡した夫が内縁の妻(俗に言う愛人)と同居し、生計を共にしていた場合には、その内縁の妻が遺族基礎年金を受給する権利を取得できる可能性があります。

死亡した被保険者により生計維持されていた者とは

 遺族基礎年金において、生計維持とは、生計同一の要件と、収入(所得)同一の要件の両方を満たしている場合に生計維持関係が認められます。

 生計同一の要件としては、住民票上同一世帯の場合や、住民票上の世帯は別であるが、住所が住民票上同一の場合や、単身赴任や就学などで住所を別にしているが、仕送りなど経済的援助と定期的な音信などが交わされている場合が当てはまります。

 通常は、世帯全員の住民票の写しを提出することにより、生計同一の要件を立証します。内縁の妻の場合には世帯は別になりますが、住民票上の住所が同じであれば、お互いの住民票の写しを提出することにより、生計同一の要件を立証できます。もし、住民票上の住所が違う場合には、内縁関係にある夫と共に暮らしていたことを、民生委員や住居の賃貸人などに立証してもらいます。

 収入(所得)の要件では、前年の収入が850万円(所得が655,5万円)未満である場合、または、退職などの事由により近い将来(おおむね5年以内)にこの基準に該当すると見込まれる場合に、収入(所得)の要件を満たしているものとみなされます。

 *社会保険庁の資料をもとに作成しております。

 

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